番外編〜Madam Raqia Hassan 接待日記
またまた芸術の話より、食い物の話題満載のカリーマブログ。何をやったか覚えて無くても（特に振付けはダメ）何を食べたかは克明に記憶していました。飽くなき食への執念！これを読めば誰でも、私が何故デブなのか、ご納得頂ける事でしょう。愛の食ブログ。是非、お楽しみ下さい。
5月16日（水）
10時起床。キウイ、バナナ、ヤクルト、ニラと豆腐入りの卵スープ、昨夜の残りの茹でブロッコリーマヨがけで朝食。朝っぱらから食欲モリモリ。1時バスでYCATから成田へ。バスの中でハムポテトサンド、卵サンド、にんじんジュース。ラィヤは初の中国ワークショプを終えて、北京から2時半頃到着予定。飛行機遅れた。4時無事ラィヤとご対面。NEXで新宿。
6時ヒルトンCheck in。ゴマさん来てくれた。ゴマさんの車で渋谷のOUTBACK、ステーキディナー。私だけワイン飲む。その後、Segafredoでイスラム教徒皆カプチーノ、私１人再度ワイン。ここはアラブ人のたまり場。ゴマさんの友人たくさん集まって皆でアラビヤ語でお喋り。前回ラィヤと会っている人もいて話が弾んでる。良かった、良かった。皆さんにラィヤをお願いして私はスタジオに戻り12時までお仕事。終電で帰宅。帰ってからもTV観ながらお仕事。4時就寝。
5月17日（木）
10時半起床。こんにゃく麺の冷やし中華（ハム、卵、キュウリ乗っけ）野菜ジュース、ヤクルト。12時湘南新宿ラインで新宿へ。1時ヒルトンでラィヤとご対面。西口の地下街、小田急デパートでショッピング。2時、小田急の１３Fで高級しょぶしゃぶ。肉超うま〜。接待にかこつけて旨いモン食べるのは最高！ラィヤしゃぶしゃぶ初めて。でも「あら、胡麻のソース？美味しいわネ。カロリーも低そうネ」と喜んでくれる。またブラブラデパート歩き。ラィヤ売ってる服のサイズが小さいのと高いのでちょっと不機嫌。ラィヤをタクでホテルに戻し私はスタジオへ。ラィヤをあやしながら、日常業務とWS業務。エ〜ン忙しいヨ〜ン。しかもエジプトからの荷物が２ケ（バザールの販売用）成田で引っ掛かった。INVOICEの不備。すぐエジプトに電話して新しいINVOICEを成田の通関業者に直接FAXしてもらう。あ〜ん。明日中に届かないと困っちゃう〜。綱渡り〜、綱渡り〜。
６時ロスから私の代稽古で来てるジェナと一緒にヒルトンへ。ラィヤと一緒にジェナのショーを見に初台の「ガンジス」へ。エビカレー、野菜カレー、チキンティカ、バターライス、チーズナン、サラダ。私、当然アルコール飲料。ジェナは優しく、穏やかな性格なので生徒に人気。今日もたくさん見に来てくれた。ディスコタイムも２曲大変盛り上がりました。皆さんありがとう。今日も終電。帰宅後も仕事。３時半就寝。
5月18日（金）
10時起床。朝食、バナナ、キウイ、ヤクルト。今夜から渋谷お泊り2泊。1時ヒルトン。今日は松屋伊那子さん来てくれる。助っ人大歓迎。まずは昼食。高島屋でお寿司。ラィヤなんでも食べる。ありがたや、ありがたや。ラィヤ服買いたいとかで伊勢丹のクローバーコナーにご案内。でも値段バカ高。ラィヤ様「カリーマ、この値段はいったい何？ここは地獄？」と怒る。え〜ん。だって日本では大きい服、高いのよ〜。「それでは、巣鴨へ行きましょう」と松屋さん。一緒にタクで移動。到着そうそう ”Fantastic street !!” 「素敵な所ネ！偉いわ。イナコ」と大喜び。「ミセスの店：大坂屋センター」等でジャケットとか大量お買い上げ。私にもピンクの花柄のブラウス（580円ゲェ〜）を肩にかけてくれて「カリーマ、これ似合うわよ。あなたも少しおしゃれをしなさい」とお優しいお言葉。ラィヤ喜んでくれて本当に良かったです。松屋さんお疲れ様でした。ラィヤ、ホテルに戻り休憩。私はその間も銀行で遅れて振込みした方の入金チェック等、休憩無し！働きずくめ！
7時ゴマさんがホテルに来てくれて、エジプト人のお友達と一緒に代官山の「マイレバノン」へ高橋のショーを見に行く。高橋はラィヤの大のお気入り。日本で1番は私で、2番は高橋だそうです。有難きお言葉、ハハハ、光栄です。まあ、ラィヤと私はビジネスパートナーとしてお互いオベンチャラ言い合う仲なので、ハハハ。8時半、高橋、箕輪ショー。ラィヤ喜んでる。良かった、良かった。でもちょっと細かい所が良くないな〜。詰めが甘い。後で高橋にダメ出し！「もっと重箱の隅を突くように詰めろ！」 私は世界一厳しいヨ〜ン！ お料理は、胡麻のペースト、ナスのペースト、パセリサラダ、ターメイヤ等揚げ物3種、ピーマンの詰め物、ピラフ、パン、デザート、量はまあまあだけどメインディシュのお肉が出ない割りに値段高め。お味もまあまあかな。私は一人でワイン4杯。
10時ラィヤをゴマさんにお願いして私はモーダッシュでスタジオへ。これから明日のバザールの荷造り。スタッフ3人と11時半まで袋詰め。エジからの荷物、１ケ届かなかった。しょうがないナ〜。皆が帰った後も１人で値札チェック。午前１時、渋谷City HotelにCheck in。部屋でも仕事。３時就寝。
5月19日（土）
渋谷のホテルで９時半起床。スタジオの冷蔵庫に入れてあるトマト、ヤクルト、バナナで朝食。またまたワークショップの準備。スタッフ４名とジェナで１２時半まで袋詰め、荷造り。その後、ジェナと村スタへ。もうかなりの人数が集まっている。皆すごーい。真面目。エライ。いつもいつも感心しちゃう。１時開場。１時半ヒルトンでラィヤpick up。２時のWS開始前１０分で急いで腹ごしらえ。コンビニで買ったおにぎり、豆腐サラダ。
2時、2007年Madam Raqia HassanのWS開始！！皆、頑張りましょう。初日は”Fadel Chaker”の歌振り。女に捨てられる男の辛さを切々と、感情豊かに踊ります。皆さんも女に捨てられる情けない男の気持ちをしっかり表現しましょうネ！４時半〜５時の休憩の間、ラィヤのパシリ。ジュース、水、ホットコーヒー、私の卵サンド、野菜生活。ダッシュでコンビニ、ダッシュで戻る〜。７時終了。お疲れ様でした。ジェナとラィヤはホテルで休憩。私はバザールで大忙し。
８時半、バザールが一段落してきたので後をスタッフに任せてホテルへ。松屋さんも加わってシズラーへ。ラィヤ、ステーキ、ジェナ、ベジなのでサラダバーのみ、松屋さん、シーフード、私、チキングリル。皆サラダ、デザートもしっかり食べました。私とジェナはワインでご機嫌。
１１時スタジオに戻り、本日かかって来た電話のメッセージチェック。さすがに疲れた。今日は早く寝よう。ホテルでのんびり１時間お風呂。２時就寝。
5月20日（日）
９時起床。朝食、バナナ、トマト、ヤクルト、９時半ホテルCheck out。ジェナと一緒に村スタ。今朝も早くからたくさんの人が。凄いですネ〜。エライですネ〜。１０時開場。１０時半ラィヤpick up。１１時WS２日目のスタートです、今日も頑張ろう。２日目はFared El Atrashの 名曲 ”Gamil” 本日もラィヤテク満載で大変ですが、頑張りましょう。１時半休憩、ただちにコンビニダッシュ、おにぎり、しゃぶしゃぶサラダ、ラィヤのお水、コーヒー、ジュース。４時終了。皆さん大変お疲れ様でした。しっかり復習して下さい。終了と同時にバザール開始。途中りんご、スタッフのおやつ盗み食い。
６時半ラィヤpick up。７時〜９時ビギナークラス。クラス開始10分前、突然コンビニダッシュご命令。ラィヤ様ご指名、日本でNo.2の高橋奈緒美！「ナオミ、今すぐ私にコーヒー買っておいで」高橋一瞬「マジですか？」日本1と2の我々を気軽にパシリに使うラィヤ様、恐るべし。ビギナークラスはラィヤテクみっちりでした。
本日のディナーはアイランドタワー44Fの「北海道」助っ人は松屋さん、小山さん。ジェナは浅草の三社祭り見に行きました。ジェナってすごーく賢い。私三社祭り見たこと無いよ。いつ有るのかも知りませんでした。自分でガイドブック調べて何処にでも一人で行っちゃう。賢〜い！！来日して４日目に一人で箱根に行った。突然「町田で乗り換えるんでしょう？」と聞かれてさすがに即答できませんでした。デキル！！
さてディナーのメニューはお刺身、ほっけの開き、かに寿司、しゃけのちゃんちゃん焼き、温野菜サラダ、うにイクラ丼 etc ラィヤ本当に何でも食べる。小山さんと私はアルコール飲料。
11時ラィヤと一緒に徒歩でホテルへ。ロビーでハッグ “Good night, Madam Raqia. See you tomorrow.” 帰る前にヒルトンのバーで一人くつろぐ。ここには「ニュートリMix」と言う不思議なカクテルがあって、今月は、小玉すいかとか、ゴーヤとか使ってる。１杯目はウォッカベースの「ピオーネとみょうが」美味しいけど、ぶどうの味が濃すぎてみょうがの味は良く判らん。2杯目はお砂糖半分のミントジュレップ。生ミントたーっぷり。美味し〜い！！酒は一人で飲むに限る。ほんとくつろぐ〜。でもまだ終わりじゃないヨ。
深夜スタジオに戻ってお仕事。深夜一人っきりって大大大大〜い好き。高校生頃から学校から帰って直ぐ寝て晩ご飯で起きる。その後はラジオ聞いたり、勉強したりして夜中起きていて、明け方近くに再度寝る生活をしていました。若い頃から筋金入りの深夜好き。両親からは「夜物」（よもの：夜中ヒタヒタと歩き回る生き物）と妖怪ヘンゲのように呼ばれていました。午前2時タクで浜の自宅へ帰宅。3時半爆睡。
5月21日（月）
ゆっくり11時起床。月曜日朝、ヤクルトお姉さんが宅配してくれる「ヤクルト400」飲んで１週間の始まり。りんご食べながらお洗濯。1時新宿へ。湘南ラインのグリーンでゆったり。車内で崎陽軒の「春弁当」食べる。春、夏、秋、冬と季節ごとに変わるこのお弁当、１年前までは、小さいのでおやつ代わりに食べてました。（500Kcal位）車内でなにか食べたい時はグリーン車に乗る事にしてま〜す。
2時村スタ。今日は松屋さんがラィヤにプライベートレッスン受けてる。松屋さんお疲れ様。また夜お会いしましょう。最後のお買い物。ラィヤ様、初日に買った紺色の帽子の色違いが欲しいと仰る。「あの時、ベージュも有ったのヨ。あれも欲しいワ」「え〜、どの店か覚えていませんよ〜」「カリーマ！しっかり思い出しなさい」「とほほ〜」みたいなやり取りがあって、取っといたレシート総点検。「あった、あった、これだ。帽子って書いてある。京王線の地下街のお店だ」めでたくお店発見。ベージュの帽子も有った。ラィヤ様とっても喜んで下さいました。
３時頃遅いお昼。何か軽いものとのご要望。地下街のパスタ屋でトマトのシーフード、私ジェノベーゼのシーフード。ミニパフェ付だったのでラィヤ大喜び。食後ラィヤをホテルに帰し私はスタジオに戻って仕事。先生によってはワークショプの収支報告書（英文）を要求されるので一応用意します。
6時半ラィヤと村スタ。最後のレッスン。ラィヤ説明しながらゆっくりなんべんも踊ってくれたので、ほとんどの人が全部書けたと思う。ラィヤありがとう。お疲れ様でした。皆さんもお疲れ様。今日はゴマさん、松屋さんの所の五十嵐ちゃん、池、小山さん、あとで高橋合流。皆でデニーズ。ラィヤ、肉好き。またまたステーキ、野菜スープ、パン。私、ねぎいっぱいの小ハンバーグ、野菜スープ、サラダ。皆も色々。ワイン、ビールで話も弾んでいます。ラィヤ送って私はスタジオへ。本日のメッセージcheck。終電帰り。
ワイン4, 5杯飲んでも殆ど仕事に影響無し。1年前までは昼酒も合わせて毎日7,8杯飲んでた。これでも酒量はかなり減っている方なんですヨ。帰宅後も収支報告書作成。税務署に提出する書類も作成。明日はジェナも帰国するのでジェナの書類も作らなきゃ。これ書きながら本当に私は働き者、と一人悦にいってる。ガツガツ食って、ガブガブ飲んで、バリバリ働く。これが私の人生サ！ １ケ月前のラィヤのビザ申請書の作成から始まって、バザールの物販品の輸入、宣伝等の準備、先生が到着してからはほとんど張り付いて、買い物のお付き合い、世界中からかき集めたゴシップネタを披露して座を盛り上げ、お食事のお世話、その助っ人の確保、ワークショプ時の通訳、コンビニダシュ等パシリ、バザールでの物販、経理、税務事務、収支報告書の作成、それプラス日常事務。昔はこれに生徒さんと一緒に踊って振り付けを覚える、までやってました。でも今はもう覚えるの無理。そこまで出来ない。覚えるのは今はウチのアシスタントの仕事になってます。本当に皆よく覚えてくれてありがとう。3時就寝。
5月22日（火）
9時起床。銀行で両替。コンビニで買った卵サンド、にんじんジュース、ヤクルトで朝食。ジェナに支払い。今日はジェナも3時の飛行機でロスに帰ります。11時のバスでYCATから成田へ。”Good by Jenna. See you again.”
1時ヒルトン、ラィヤに支払い。収支報告書のコピーいらないそうです。「カリーマはいつも正しいから」信頼してくれて、ありがとう。1時半ヒルトンの2FイタリアンのOpen Buffet。前菜、サラダ、パスタ、ピザ、デサート、色々食べる。さすがホテルブッフェ、盛り付け美しい、美味しい。ホテルに延長してもらってのんびり３時Check out。ゴマさんと松屋さん来てくれる。ありがとう。私はラィヤと2人で成田へ。5時前に成田着。中華航空で北京経由、2日がかりでカイロに帰国だそうです。最後のHug & Kiss。フェスティバルで会いましょう。See you。私はバスで横浜へ。お疲れ〜。
終わった、終わった。夕暮れのベイブリッジ、美しいMM21の景色を見ながら幸福な達成感に浸って帰宅。安心したら小腹が空いた。地下街のお茶漬け屋で「鯛茶漬け」スーパーによってお買い物。駅の花屋で自分にご褒美。甘〜い匂いの「くちなし」小さいブーケ（500円）家に帰ってTV見ながら豆乳飲む。9時家の近所のスポーツクラブで30分位泳ぐ。本日は1000Mきっかり泳ぎました。銭湯代わりのサウナに入ってくつろぐ。これだけ泳げば爆睡確実。夜の水泳は最強の睡眠薬。寝れば疲れはぶっ飛ぶ。泳いだ後は近所のスペイン風立ち飲み居酒屋でシェリー（イノセンテ）と苔桃のリキュール（パチャラン）のロック、おつまみは色鮮やかな自家製ピクルス（酢は疲れを取るヨ〜ン）蜂蜜かけたチーズ。ほんとうにお疲れ。今日は早めに寝よう。（と言っても午前2時）明日は渋谷12時クラスから通常業務に戻ります。
とまあ、ラィヤの２年に一度のWSも無事に終わりました。ご参加の皆さんお疲れ様でした。ラィヤは「日本人は世界一真面目な生徒ヨ」と大変喜んでいました。ラィヤは16年前始めてカイロのご自宅で個人レッスンを受けてからず〜っと私の先生です。カイロ時代はレッスンを受ける日は、殆ど1日中彼女の家にいました。ラィヤは振り付けを少しづつ教えてはテレビを見たりキッチンでお料理したり、日常の生活をします。私は一人で練習して完璧に出来たと思ったら「出来ました」と声をかけます。するとラィヤ「どれどれ」っていう感じでキッチンから出て来て「OK」とか「NO!」とか言って次に進んだりもう一度同じ所をやり直しさせられたりします。だからきちんと出来るまで基本的に次に進めません。テクニックも厳しくって「つま先立って膝を締める」「小さい歩幅」「細かい動きをハッキリ」ラィヤの口癖は “Karima, Show me. I must see”（私にきちんと見せなさい。やってるつもりじゃ駄目：これは私がそっくりそのまま生徒に言ってる事ばかりです）ずっとつま先立ちだったので、足の親指の付け根が腫れた事もありました。それでも厳しい先生というよりは面倒見の良いおばさんという感じで、いつも “Karima, Eat.”と、手作りのスープやサンドイッチを食べさせてもらっていました。
最近は世界中から一日に何人もラィヤのレッスンを受けに来るので、こんなにノンビリと一日中ラィヤとマンツーマンなんていう事は不可能でしょう。「あの頃が懐かしいですネ」と言ったら「あら、カリーマはカイロに来たら、昔の様に一日中うちに居ていいのよ」な〜んて御優しいお言葉を頂きました。
ラィヤは私のようにしっかり練習したい子にはしっかり教えて、振り付けだけ欲しい子には振り付けだけという、臨機応変な先生です。私がラィヤの家で一日中稽古していると、エジプト人の若いプロダンサーがレッスンにやって来ました。彼女達はラィヤに踊ってもらって、単に振りを書き写すだけなのです。「ふんふん」という感じで1時間ほどで書き終え、練習もせずに振付料を支払って帰って行くのです。最初はびっくりして見ていましたが、ラィヤは「彼女達はこの通りに踊るわけじゃなくて、アイデアが欲しいだけなのよ」と言っていました。当時、私は大変貧乏だったので「支払った分みっちり習わなきゃ。食べ物も食べさせて欲しい」とほんと、気合入ってました。
カイロでの2年間の修行時代は、マフムード・レダ、ファリーダ・ファハミー、イブラヒム・アキフ、ナディヤ・ハンディー、ボースィー等、有名な先生だけじゃなく、モハメッドアリ通りの怪しげな「マアッレマ」達（local teacher）にも何回かレッスンを受けました。しかし、何と言っても一番の先生は踊り好きなエジの女の子達です。ディスコで、ナイトクラブで、結婚式で、現地人の家で、雑音混じりの大音響の中本当に楽しく踊りました。彼女達と踊っていると、いくら上手に踊っても「私は所詮、習った事しか出来ない外国人だ」と気付かされます。血で踊るエジプト人には一生叶わない。彼女達は当然、ステージ用の踊りは出来ないですけれど、動きに血が通っているというか、体の中から沸いてくる踊りっていうか、訓練された体じゃないから動きがクリアじゃないけれど、やっぱり力強い。ドクターモーのパーティーで女優の卵達が踊っているのを見た時、鳥肌立った。当然ダンサーじゃないから姿勢とか悪いけど、それがなんだヨ！って感じの表現力。動きも少ないけど音楽と人間が完全に一体なんだよネ。「ああ、生まれ変わらなきゃ駄目だ」と思いました。
たまに、私の踊りを良く見ている生徒さんに「普段着で踊ってる先生、素敵です」ってお褒めの言葉を頂くけど、それは昔、普段着で踊っている時こそ、踊り自慢の現地ガールズとの壮絶なバトルだったからです。私は外人客なのでやつらは「カリーマ、凄い、上手いよ」な〜んて一応おべんちゃら言ってくれるけど半分位本心じゃない。「カリーマこれ出来る」なんて基礎を超越した摩訶不思議なHip movementで迫ってくる。基本を知らないからかえって動きが複雑怪奇になるんだよネ。「え〜、何それ。そんな変な事出来ないヨ〜」と言うと「なんだ、先生に習ってない事は出来ないのか」ってな感じ。せまい場所なのであまり移動せず、表情と体のうねりだけで勝負しなきゃならない。プロの真骨頂であるアラベスクやターン等の大きなステップが出来ないのは正直しんどい。後で他の子にアラビア語で「あんたの方が上手いヨ」なんて言ってるのが聞こえちゃうと正直、悔しかったですね。「え〜ん。一応私プロなのに〜」な〜んてネ。
実は衣装屋のアミーラの所のお針子達が、踊り超ウマだった。アミーラ自身も踊り劇ウマ。ラィヤのフェスティバルで衣装売ってるハナーンも元アミーラのお針子で踊りバカウマ。結婚前のハナーン背高いし、ウルトラナイスバディー。アミーラがよく彼女に衣装着せて動いた時の感じをチェックしていました。衣装屋関係に踊り上手い人多かったよネ。やっぱりプロダンサーがフィッティングに来て、ちょっと動いてみるのをいつも至近距離で見ているからなのかな〜。なんて思っています。
あとは、スターダンサーのショーを見る事。当時はまだフィフィー・アブド、スハール・ザキ、ナグワ・フォアード、アッザ・シェリーフ、サハ・ハンディー、モナ・サイードゥ等のトップスター達が踊っていました。中でも一番のお気に入りはフィフィーでした。私のラーシャはフィフィーのぱくりです。他にも色々学びました。ショーの構成はナグワから。私がジャズガールズに囲まれて踊るアイデアの最初はナグワのショーからでした。当時はまだNY留学中で、ヨースリーに連れられ始めてマリオットホテルでナグワのショーを見ました。ナグワは燕尾服着たボーイズ（殆どレダ舞踊団からのバイト男。ヨースリーも若い頃バイトしてたらしい）に囲まれ、ピンポンパン体操のようなチョットおまぬけなジャズでしたが。「へぇ〜、ジャズもやるのか。日本に帰ったら本格的なジャズで踊ってみたいものだ」と思っていました。
こんな風にエジ留学時代はなるべく多く踊りに触れる生活をしていました。まあ、修行の旅だから当然ですけど。皆さんもエジプトに訪れる機会があったら、なるべく現地の踊りに触れて下さいネ。エジプシャンスタイルを目指す方には、なるべく私と同じ体験をしてもらいたいと思います。ラィヤは2009年に再び来日しま〜す。
